2014 - 03 - 16 - Sun "超ユーロビート追求────────"
果てしなきユーロビートの可能性を追い その夢に生きるしかない星のもとに生まれてきた “私” というバカな男を 根底から揺さぶったショック!!!
欧山ユーロ倍達 前回に引き続き、シーケンス・フレーズの作り方について書こう。 シーケンス・フレーズはアイデア勝負であり、ほぼ∞通りの作り方があるので 基本的な考え方について解説しよう。 音えらびシーケンス音は、楽曲を楽しくさせたり、寂しい隙間を埋めたりするパートであるので 目立ちすぎることもなく、かつ、埋もれないようなサウンドが望ましい。 ではどんな音色が最適かというと、実はどんな音色でも使えてしまう! ピコピコなる矩形波※1などの基本波形や、サンプラーやPCMシンセの音色などでも、音色のジャンルも無視してリード系音色に限らず、例えばベースの音色やヴォーカル・サウンドでも良い。発想次第でドラム音色なんかも使えそうだ。 色々選んで、打ち込んで試してみて、一番しっくりくるサウンドを探そう。 なお余談だが、超有名ユーロである “NIGHT OF FIRE” では、楽曲冒頭のシーケンス・パートになんとPCMシンセのスラップ・ベース音を高い音で鳴らしてシーケンス・フレーズを構成しているのである!!
イタリアの製作陣はこういった奇想天外な発想で楽曲を構成してくるので、我々にとってまさに猛牛・ヒグマ・範馬勇次郎のような存在であるッッッッッ!!! | 
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打ち込み方①:コード進行をなぞるシーケンス・フレーズの打ち込みは様々な方法があるが、基本的に短い単音を細かく連続で鳴らしていることが多い。 最も簡単なのはコード進行の構成音をなぞる形で打ち込む方法。 コード音に沿っていれば不協和音も出ることはないし、確実である。 これは、コード進行をガイド表示しながら、打ち込んでみた例である。16分音符で細かく打ち込み、タイミングやリズム感なども考えながら、8分音符なども入れたり、鳴らす順番・オクターブなどもノリで決めて行こう。
また、使っているDAWやシンセサイザーによっては、コード進行を打ち込むだけで、自動的にコード音に細かく分散して鳴らすアルペジエーターという機能が付いている。打ち込みがとても楽になるので、ぜひ活用しよう。 |  |
上の図にある打ち込みデータではないが、コード進行をなぞって打ち込むとこういう感じになる: 打ち込み方②:ベース(Root音)をなぞるベースの音階にあわせて細かい音を連続で打ち込む方法も考えられる。 でも、ただずらーーっと16分音符を並べただけでは音に変化がなくなってしまうので、何個おきでオクターブを変えてみるとか、エフェクターを駆使して、連続的に音に変化させてみるなどの工夫が必要。 打ち込み方③:オブリっぽく打ち込んでみる目立つパートや引き立てたい楽器がない所だったら、ヴォーカルを盛り上げるような打ち込みをしても良いかも。 一旦オブリガード※2を打ち込んでみて、それをガイドにして細かく鳴らすようにアレンジしてみたり。。。
使い方テクニック①:定位を固定・変化させてみるフレーズをキメたら、次はミックス方法を検討しよう。 せっかく作ったシーケンス・フレーズは、ミックス次第でさらにカッコ良くなる!! まずは、定位(左右のバランス)を弄る方法。 2つ以上のシーケンス・フレーズを作ったら、それぞれを左右中央に振り分けてみるとさらに豪華になる。 さらにリアルタイムに定位を左右に変化させても良いだろう。 使い方テクニック②:複数パートを切り替えてみる同じシーケンス・フレーズだと一本調子になってしまう! なので、たくさんのバリエーションのシーケンス・パートを盛り込むと楽曲が楽しくなってくるが、そうすると楽曲がごちゃごちゃになってくる。。。 そういうときは、同時に鳴らすシーケンス・パートを1~3つなど少なく絞って、切り替えながら鳴らす方法が考えられる。 小節ごとにおらおらっと切り替えても良いし、Aメロだけはこのパートをずっと鳴らす!ってのもアリ。 自分の場合、1楽曲で6~16トラックくらいシーケンス・パートを作るが、同時に鳴るのはせいぜい多くて4トラックくらいである。 使い方テクニック③:ミックス時は目立ちすぎぬよう!シーケンス・フレーズは縁の下の力持ち的な存在なので、全体を支えるようなミックスを心がけるとスバラスィ。 なので、最も目立つパート(ヴォーカル・ドラム・ベース・ギター等)をミックスした後、シーケンスパートのミックスをする方法が一番確実かと思われる。 楽曲の盛り上がりが足りなければ足し、多すぎたら調整って感じで、試行錯誤を繰り返そう。 気合いを入れて作ったパートだから表に出してぇ!!って気持ちは激しく分かるが、それは “押忍” の精神(攻撃的忍耐)で耐えよう。 どうしてもこのパートを聞かせないと爆発してしまいますって時は、楽曲冒頭のイントロでソロで鳴らしてみるって方法もいいかも知れない。 以上が、シーケンス・フレーズの基本的な作り方である! メンドくさい作業だったり、アイデア・センスが要求されるパートだったりで大変な要素ではあるが、これがなくてはユーロビートは構成できない! ユーロの道はシーケンスフレーズにあり!!!!
ぜひシーケンス・パートを何本も作ってマスターし、ユーロビートに磨きをかけよう。 その時、君は美しい。 ※1矩形(くけい)波: シンセサイザー基本波形の一つ。聞けばファミコンのサウンドを思い出す、単純明快な音。別名スクエア波。矩形波の進化系で "パルス波" がある。 (厳密には矩形波はパルス波の一部に分けられる) (もっと厳密に言うと、AC信号の場合1周期における正値と負値のDuty比が1:1で構成されフーリエ級数を用いて級数表現するとf(t) = 4/...おっと誰か来たようだ) ※2オブリガード: ヴォーカルなど、メインのメロディーを引き立てるために鳴らすフレーズ。別名 "オカズ"。 2014 - 03 - 08 - Sat 私は見た!戦うことも許されず、あえなく殺されたヒグマの中に・・・ 自分の同類を・・・人間界の常識によって野生の命を絶たれたヒグマに、こそ・・・ 同じく超人追求の夢を断ち切られた彼自身の仲間を・・・見た・・・
私はただ むなしかった・・・ 侘しく、ユーロだった・・・ 欧山ユーロ倍達 押忍ッッ!!!!先週は生放送の試験放送を行ったり、仙人会議(肉を食う会議)などが立て込んでおりました! そしてユーロ山にもついに光ファイバーとやらが通って、インターネットなるものが快適になった! しかし我々にはそのようなハイテクなものより、道着・気合・牛さえあれば十分なのである!! さらに、我らユーロバカはインフルエンザという未知の流行病に冒されていましたッ! 40℃以上の発熱を伴ったが、どうにか気合いで切り抜けられました。 しかし、ユーロバカも風邪を引くという良い教訓になった!! さて、今回はユーロビートを構成する上で欠かせない「シーケンス」というパートをご紹介しよう。 どんな音?人間の言葉で説明するより、まずはこの音を聞いてくれ!! そして、前半の音と後半の音と、何が違うか比較してみよう。
大きな差はないが、何か後ろで鳴っているパートで賑やかさが違う感じがする。 実は、こんな音が鳴っているのだ。
こういった、短い音・短いフレーズが繰り返し鳴っているパートのことをシーケンス・パートという。 何となくトラック全体が寂しかったり、賑やかさが足りない、隙間が多いと感じたら、このパートをうまく追加してやると、いい感じにまとまってくれます!
また、このシーケンスパートを絶妙に構成できるようになると、格段とユーロビートの完成度が高くなる重要なパートである!! 次回は、どういう作り方・打ち込み方があるのかご紹介したいと思っております!! 押忍!!!! 2014 - 01 - 11 - Sat 2013 - 11 - 30 - Sat 私は自分が何か平均音量値を越えたミックスに走ろうとする時 常に元波形を、PCMシンセ達の顔を思い浮かべる 彼らの目に恥じぬか・・・・?と自省する 士は己を知る者の為に死す! 供給波形こそ地上での最大の宝・・・・と信ずる故に 大山倍達@某都内マスタリングスタジオ(談) 押忍ッッ!! 前回に引き続き、アップ・ビートシンセの作り方について、詳細を追って行きたいと思います!アタックの効いた、硬めの印象を持つ音を作ってみましょう。 Massiveを使おう 今回はNative Instruments社のMassiveというソフトウェア・シンセサイザーを用いて作ります。ヴァーチャル・アナログ系(VA系)と呼ばれるシンセですが、直感的に音を作りやすく、非常に多彩に細かく作り込めるシンセです。  | 音を鳴らす準備として、試しにこのようにMIDIを打ち込んでおきました。1/8音符の短い和音フレーズです。
タイミングはもちろん、アップビートの位置に打ち込みます。 |
そしてMassiveを立ち上げます! 何やらツマミ類が非常に多いですが、それだけカスタマイズが可能ということでもあります。ユーロの道に先手無し!!!じっくり遊んで極めましょう。 左側にある "OSC"(オシレータ)のランプをOSC1のみ点灯するようにしたら、試しに右図のように設定してみましょう。
基本波形は "Rough Math I"、ピッチは1オクターブ高めにしてみました。 |  |
この状態で鳴らしてみると、こんな音になります: ヴォリュームを変化させよう このままの音だと何もガツンとくるサウンドになっていないので、熊はおろか大腸菌も倒せません。この状態で牛に聞かせてみたらイノシシみたいに襲われました。 鳴らし始めの頭の音を強くし、すぐに減衰させるような音量変化をつけてみましょう。  | 画面右下にある "4 ENV" と書かれたタブをクリックしましょう。デフォルトでは、このセクションが音量変化を司ります。
そして左図の用に設定してみます。 |
どんな音になるかな!?: 厚みを付けてやろうぜ アタック感が見えてきました。ここで少し音を分厚くしてやりましょう。 "VOICING" セクションに行き、"Unisono" という項目が見えます。 これは同じ音を何個同時に重ねるか?という設定項目です。多い程賑やかになりますが、今回は4音にしてみました。 右欄の "Unisono Spread" で重なる音の調整を行います。  | "Pitch Cutoff" で、どれだけ音の高さをずらして厚みを与えるか設定します。
ツマミをスライドさせて設定しますが、左右の数字はツマミの最小/最大値になります。今回はツマミを最小に絞って最小値を0.06に設定。
"Pan Position" では、ステレオの広がりを調整します。 |
リッチになったでしょうか!?: さらにアタックするぞ〜〜〜〜 まとまった音になってきました。ただ、まだアタック感が足りない。。 次の行程で攻撃力のありそうな音にしましょう。  | "OSC" セクションに飛びます。 ここにある "Oscillator Phases" というボタンを点灯させます。
これはチョーーー簡単に説明すると、音を鳴らす時に、波形の開始位置を揃えてキッチリした音にする、という機能です(厳密には、Unisono波形も含めた再生時のオシレータ位相角を設定値に揃える、というものなんだけど、原理など詳しくは別の機会に・・・) これを使ってみると、場合によってはとてつもなく強烈な音に変化したりします。 |
さあ、瓦20枚を叩き割る程のアタックになっただろうか!? うおおおおおおおおおお!!近づいてきた!! ベンド!ベンド!鞭打!! さらにさらに、アタック部分に変化をつけてやりましょう! ピッチを変化させ、鞭のようなパワーをもたらしましょう。 まさにピッチ・鞭打ッッッッ! 〜鞭打とは〜
全身の力を抜いた状態で液体をイメージし、鞭のようにしならせて打撃を放つ技。 人体は鍛錬により飛躍的に強くなるが、その鍛え上げられた筋肉の鎧にも耐えられぬ打撃が存在する。 それは皮膚への打撃(鞭打)である。 皮膚への打撃は鍛えた肉体にも女性の柔肌にも無差別でダメージを与えることができる。 更に、攻撃目標が全身を被う皮膚であるため、攻撃箇所を問わない。全身が急所なのである。
出典:範馬刃牙データベース "1 Env" セクションに飛びます。 このセクションは、キーが入力された時に作動する "エンベロープ" といわれるものです。  | ここにピッチの変化を設定します。 もちろんアタックのみピッチ変化をつけることが目的なので、Decayは短く、かつサスティーンのLevel(となりのツマミ)は0とします。
今回は左図のようにしました。 そして、"1 Env" と書かれたタブの をドラッグして・・・ |
右図の赤丸で囲った部分にドロップします。 こうすることでピッチの変化が "1 Env" の動きに合わせて変化するようになります。
すぐ横の小さな数値は、"1 Env" の動きがどのくらいのピッチにまで変化するか?と設定する項目です。
今回はメリハリをつけるため、24(2オクターブ上)まで上がって、一瞬で戻るという設定にしました。 |  |
微妙な変化程度に設定を抑えましたが、こんなサウンドになりましたッッッッッ: 増援部隊 もっとリッチなサウンドにするべく、残りのオシレーター2名をフル動員させます! 
 | 残りのOSC2, OSC3を点灯させ、先ほどと同様に設定します。
基本波形を変えたり、ピッチを上下させたり、ヴォリュームを調節したりなど、試行錯誤してみてください。
この辺が音作りの面白いところ!!!ユーロ山から一生降りられそうにありません。
今回は左図のような設定で攻めてみました。 |
OSC2, OSC3 それぞれを独立させて鳴らすと、次のような音になりました:
フル動員させて熊を倒せ!!  | OSC1〜3全てを有効にして、全体的にピッチをビミョーにずらしてなじませたり、微調整を行えば完成!!!
あとはEQやComp、空間系FXをかけたりすればイケメンアップビートシンセの完成だ!
No Routineで用いたアップビートシンセはこういう感じになりました!: |
うおおぉぉおぉぉおぉおぉぉぉおぉぉおぉおおぉおぉぉぉぉ!!!! ざっと説明してきましたが、こんな感じでアップビートの音色は作れます!
エンベロープを駆使して、フィルターなども活用するとまた面白い音色が作れたりします。考え方を変えて、もっと柔らかめの音を鳴らしてハイハット強めでアタック感を補う、という方法なども考えられます。 ただ、アップビートシンセは、ユーロのスタイルによっては入れない方が良いケースもあったりします(ギターをフューチャーしたスタイルや、音色が多すぎてごちゃごちゃしてしまう場合とか)。 また、鳴らす音もRoot音抜きの2和音にして干渉を抑えたり、和音に限らずサンプリング音を鳴らしたりとか、ベースと同じ単音をなぞったり(近年のDave Rodgers先生のサウンドはこのタイプ)、実はオルガンを鳴らしていたりと(SEB VOL.151のCARRY ON CARRY ON / NUAGEや、SEB VOL.147のNEVER LET ME DOWN / MERI等)、様々な工夫ができる箇所でもあります。
次回もユーロビートを構成する上で必須と思われる要素について解説して行きたいと思います!
押忍ッッッッッッッッ!!!!! 2013 - 11 - 20 - Wed ユーロ一筋バカになり 果てなき修行 まっしぐら 見つめたパラメータを掴んでやるぞ 天下無敵のユーロの音を 天下無敵のユーロの歌を
〜ユーロバカ一代/チャンジャーズ・SSL4000G児童合唱団〜 押忍!!!! 今回からは、ユーロビートを構成する上で重要な音のパーツについて書きたいと思います。どんな音なのか・どうやって作っているのか等、サンプルも交えて修行して行きたいと思います! リズムと安定感を司るアップ・ビート アップ・ビートとは裏拍の別名であり、ドラム隊で言うところのハイハットが鳴っているタイミングです。キックドラムが ドン●ドン●ドン●ドン●と鳴っていた場合の、●に相当するタイミングですね (対義語はダウン・ビート)。 このタイミングに歯切れの良いシンセサウンドをさりげなく鳴らす事により、よりノリが良くなったり、安定感を生み出す効果が期待できます。 どんな音? アップ・ビートにシンセサウンドを入れた状態はこちら:
続いてアップ・ビートを抜いたバージョンはこちら: 大きな差は感じられないと思いますが、裏で何か鳴っているのとそうでないのとでは、ワクワク感とかスピード感、アップダウン感が違って聴こえるかと思います。 実はアップビートではこんな音が鳴っております: アタックが強い、硬めな印象を持つ短い和音です。具体的にどういう風に作って打ち込んで行くか、次回は製造過程を追って行きたいと思います! 風邪引くなよッッ!!! おまけ  _人人人人人人人人人人人人人人人_ > ビーフシンセサイザー!!! <  ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
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