| 2013 - 08 - 09 - Fri 押忍!!!!!!! 『このオスは押すという字と忍ぶという字 "押忍" と書く なにごとにも辛抱強く しのびぬくが それは逃げ腰ではない! あくまでもミキシングなり・・・・音色調整なりをこちらから押しつつ忍ぶ ・・・つまり攻撃的忍耐!!ということだ! (大山倍達 談)』 さて、前回は各々のパートを作成し終えましたので、今回は全パートを美しくまとめる「ミキシング」の行程を行い完成させます! ここが一番難しい!!! ミックスさえうまく行けば人生を含め全てがうまく行きます。 アベノミックスも成功しそうな予感がします。ホント重要。 必要なスキルは、耳と感覚と気合いです。 では実際にミク-スしてみましょう。 ミキシングで行う事 ![]() 主に各パートの音量調整・定位設定・音質調整・空間処理になります。 音量調整は、お使いのミキサーのフェーダ(ツマミ)を上下に動かして音量を決めるほか、コンプレッサと呼ばれるツールを用いて音量加工する行程になります。
定位設定は、定位(左右のバランス)を決めたり、左右に広がるステレオ感を調整する行程になります。 ギターは左に置いたり、ハイハットは右に置いたり、シンセサウンドをもっと左右に広げる、といった感じです。 音質調整は、音の帯域(低い音・高い音)を調節したり、エフェクターを使って音に厚みを加えたりする行程になります。 ここでもっとも重要なのは音の帯域調節で、イコライザー(通称EQ)というツールを使って加工します。
空間処理は、リバーブやディレイといったツールを用いて、音に余韻を残したりエコー効果を加え、空間を演出する行程になります。 ヤスリで表面処理するような行程で、最後の仕上げとして設定します。 ドラム隊・ベース・パッド・ストリングのミックス ミキシングはどのパートから行っても良いと思いますが、自分的にはまずドラムのミキシングから入ります。 キックの低音が弱かったので強調し、ハイハット類は余分な中音域の音を削って、スネアドラムはあまり目立たないように音量設定し、カウベルはぽこぽこなるように中音域を強調。 ベースは低音域の仲間であるキックと仲良くなるように、うまくEQで調節します。 ついでにベースの定位の広げてより聞こえやすくしてみました。 パッドは余分な低音域と高音域を削って中音域で鳴るようにし、ストリングスは高音域で目立つように低・中音域を削りました。 パートを追加して行くと全体の音量がどんどん大きくなってしまい、最大音量を超えて音が割れてしまうので、全体的に音量を減らします。 一旦これらをまとめて聴いてみませう: バッキング・シーケンスパートのミックス 裏方パートをミックスします。 シーケンスパートは左右に鳴らして広がりをつけて、音量はさりげなく鳴らすくらいにしてみました。 裏拍子で鳴らすバッキングシンセもあまり大きく鳴らさず、同時に鳴るハイハットとぶつかる音域をEQで削ります。 こんな感じになりました: ギターのミックス ギターを追加すると途端にかっこよさげになるので、おらおらおらぁぁぁぁぁぁぁぁっっっって感じでミックスするとギターソングになってしまいますw これもモブキャラでありますので、あまり他のパートと干渉しないように、EQでうまく調整してあげます。 ただ、オブリガードを奏でているところは目立たせて上げても良いと思うので、そういった所だけ音量を上げてやることにします。 あずにゃんかわいそう: シンセサウンド・効果音のミックス オブリガードとして鳴らしているやつや、シーケンス的に鳴らしているやつなど、この辺は自由に設定しても大丈夫なパートだと思います。 適当に良さげなところで定位を左右に振ったり、聴かせたいシンセは大きくしたりしました。 シンセ系の音は高音域もしっかり出るので、高音域が固まらないようにうまくEQでやりすごします。 効果音類はインパクトのあるものを使ったので、うまく目立つようにコンプレッサ・EQで調整後に定位を広げてみました: シンセリフのミックス 『シンセリフ!!その音はサッソウと あまりにもサッソウと あたかも太陽のように光りかがやいて────── アメリカ本土からグレート東郷・遠藤とともにハワイへわたった わたしの眼前に あらわれた!! 大山倍達(談)』 って言われるくらいデカいパートなので、一番目立つようにミックスしましょう。 コンプレッサで音量を均一にして大きくし、EQでおいしそうな音域をちょこっと強調して、左右に大きく広げてインパクトをつけます。 Aメロパート、Bメロパート、サビパートはヴォーカルが乗っかるので、少し控えめにしてあげると◎ (゚Д゚)ホワァ!!: 空間処理 空間演出を行いたい各パートにそれぞれリバーブ、ディレイを奢ってやります。 あまりに強くかけすぎると安っぽく聞こえてしまったり、不自然になってしまうので、ほどほどにしましょう。何事もやりすぎは(・A・)イクナイ!! また、リバーブ・ディレイ自体の音は共にEQで低域を削ったりして調整しています。 パート数が多くごちゃごちゃしがちなので、今回はほとんどかけませんでした!: こんな感じで全体的なオケが出来上がりました。 これに最終行程であるヴォーカルミックスを行えば完成となります! ヴォーカルのミックス 今回のヴォーカル様は "はにーぽけっと" のあき様(@akico82)です!! 当然、ヴォーカル楽曲ですので、一番目立つようにミックスします! 定位は堂々のど真ん中!!! シンセリフと同じくらいの音量を入れましょう。 オケになじむように、低域・中音域を削りながら、コンプレッサでまとめました: コーラスパートのミックス ハモるパートをミックスします。 当然、ハモりがメインのヴォーカルより上回ると違うメロディーになってしまいますので、音量は控えめにしてEQで棲み分けも行います。 左右に定位を広げるとインパクトが増すので、ちょっとだけ左右に広げました: ミックスダウン!!!!!!!!! 各ヴォーカルパートにちょっとだけ空間処理を加え、全パートのミキシングが終わりました!!あとは、全部の音が通るマスターチャンネルに全体をまとめるツールを入れます。 まずEQを入れて全体的な音質バランスを微調整し、コンプレッサを少しだけかけてまとめました。最後にマスターリミッタ※1で音圧を上げます!: これで完成!!ミックスダウソ!!!!: あきさんのヴォーカルまじ大好きです。ホント、全周波数帯を皆様に届けたい。 オケにミックスするためとはいえ、EQで音域を削るとか冒涜行為ッッ。。。!!マウスを握る手すら憎いッッ。。。!! さっさと樹海行ってきます。 ◎ ◎ ◎ ティウンティウンティウンティウン ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 以上、ユーロビート制作行程の簡単な紹介でした!! 次回から、もっと具体的に音の作り方などを紹介して行きたいと思っております。 では次回もお楽しみにッッ!! ※1 マスターリミッタ(Master Limiter): 音圧を無理のないレベルにまで上昇させられる、マスターチャンネル向けツール。 音源を最終的にまとめる "マスタリング" 行程で必ずと言っていいほど使われている。 類似品にマキシマイザー(Maximizer)というものがある。 |