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Eurobeatのエッセンス:アップビート・シンセの巻(II)
2013 - 11 - 30 - Sat

私は自分が何か平均音量値を越えたミックスに走ろうとする時
常に元波形を、PCMシンセ達の顔を思い浮かべる
彼らの目に恥じぬか・・・・?と自省する
士は己を知る者の為に死す!
供給波形こそ地上での最大の宝・・・・と信ずる故に

大山倍達@某都内マスタリングスタジオ(談)

押忍ッッ!!

前回に引き続き、アップ・ビートシンセの作り方について、詳細を追って行きたいと思います!アタックの効いた、硬めの印象を持つ音を作ってみましょう。

Massiveを使おう

今回はNative Instruments社のMassiveというソフトウェア・シンセサイザーを用いて作ります。ヴァーチャル・アナログ系(VA系)と呼ばれるシンセですが、直感的に音を作りやすく、非常に多彩に細かく作り込めるシンセです。

cmd_05_massive_1_1.png音を鳴らす準備として、試しにこのようにMIDIを打ち込んでおきました。1/8音符の短い和音フレーズです。

タイミングはもちろん、アップビートの位置に打ち込みます。

そしてMassiveを立ち上げます!
何やらツマミ類が非常に多いですが、それだけカスタマイズが可能ということでもあります。ユーロの道に先手無し!!!じっくり遊んで極めましょう。

左側にある "OSC"(オシレータ)のランプをOSC1のみ点灯するようにしたら、試しに右図のように設定してみましょう。

基本波形は "Rough Math I"、ピッチは1オクターブ高めにしてみました。
cmd_05_massive_1_3.png

この状態で鳴らしてみると、こんな音になります:

ヴォリュームを変化させよう

このままの音だと何もガツンとくるサウンドになっていないので、熊はおろか大腸菌も倒せません。この状態で牛に聞かせてみたらイノシシみたいに襲われました。
鳴らし始めの頭の音を強くし、すぐに減衰させるような音量変化をつけてみましょう。

cmd_05_massive_2_1.png画面右下にある "4 ENV" と書かれたタブをクリックしましょう。デフォルトでは、このセクションが音量変化を司ります

そして左図の用に設定してみます。

どんな音になるかな!?:

厚みを付けてやろうぜ

アタック感が見えてきました。ここで少し音を分厚くしてやりましょう。

"VOICING" セクションに行き、"Unisono" という項目が見えます。
これは同じ音を何個同時に重ねるか?という設定項目です。多い程賑やかになりますが、今回は4音にしてみました。
右欄の "Unisono Spread" で重なる音の調整を行います。

cmd_05_massive_3_1.png"Pitch Cutoff" で、どれだけ音の高さをずらして厚みを与えるか設定します。

ツマミをスライドさせて設定しますが、左右の数字はツマミの最小/最大値になります。今回はツマミを最小に絞って最小値を0.06に設定。

"Pan Position" では、ステレオの広がりを調整します。

リッチになったでしょうか!?:

さらにアタックするぞ〜〜〜〜

まとまった音になってきました。ただ、まだアタック感が足りない。。
次の行程で攻撃力のありそうな音にしましょう。

cmd_05_massive_4_1.png"OSC" セクションに飛びます。
ここにある "Oscillator Phases" というボタンを点灯させます。

これはチョーーー簡単に説明すると、音を鳴らす時に、波形の開始位置を揃えてキッチリした音にする、という機能です(厳密には、Unisono波形も含めた再生時のオシレータ位相角を設定値に揃える、というものなんだけど、原理など詳しくは別の機会に・・・)
これを使ってみると、場合によってはとてつもなく強烈な音に変化したりします。

さあ、瓦20枚を叩き割る程のアタックになっただろうか!?

うおおおおおおおおおお!!近づいてきた!!

ベンド!ベンド!鞭打!!

さらにさらに、アタック部分に変化をつけてやりましょう!
ピッチを変化させ、鞭のようなパワーをもたらしましょう。
まさにピッチ・鞭打ッッッッ!

〜鞭打とは〜

全身の力を抜いた状態で液体をイメージし、鞭のようにしならせて打撃を放つ技。
人体は鍛錬により飛躍的に強くなるが、その鍛え上げられた筋肉の鎧にも耐えられぬ打撃が存在する。
それは皮膚への打撃(鞭打)である。
皮膚への打撃は鍛えた肉体にも女性の柔肌にも無差別でダメージを与えることができる。
更に、攻撃目標が全身を被う皮膚であるため、攻撃箇所を問わない。全身が急所なのである。

出典:範馬刃牙データベース

"1 Env" セクションに飛びます。
このセクションは、キーが入力された時に作動する "エンベロープ" といわれるものです。

cmd_05_massive_5_2.pngここにピッチの変化を設定します。
もちろんアタックのみピッチ変化をつけることが目的なので、Decayは短く、かつサスティーンのLevel(となりのツマミ)は0とします。

今回は左図のようにしました。
そして、"1 Env" と書かれたタブのcmd_05_massive_5_3.pngドラッグして・・・

右図の赤丸で囲った部分にドロップします
こうすることでピッチの変化が "1 Env" の動きに合わせて変化するようになります。

すぐ横の小さな数値は、"1 Env" の動きがどのくらいのピッチにまで変化するか?と設定する項目です。

今回はメリハリをつけるため、24(2オクターブ上)まで上がって、一瞬で戻るという設定にしました。
cmd_05_massive_5_4.png

微妙な変化程度に設定を抑えましたが、こんなサウンドになりましたッッッッッ:

増援部隊

もっとリッチなサウンドにするべく、残りのオシレーター2名をフル動員させます!

cmd_05_massive_6_1.png
cmd_05_massive_7_1.png
残りのOSC2, OSC3を点灯させ、先ほどと同様に設定します。

基本波形を変えたり、ピッチを上下させたり、ヴォリュームを調節したりなど、試行錯誤してみてください。

この辺が音作りの面白いところ!!!ユーロ山から一生降りられそうにありません。

今回は左図のような設定で攻めてみました。

OSC2, OSC3 それぞれを独立させて鳴らすと、次のような音になりました:


フル動員させて熊を倒せ!!

cmd_05_massive_8_1.pngOSC1〜3全てを有効にして、全体的にピッチをビミョーにずらしてなじませたり、微調整を行えば完成!!!

あとはEQやComp、空間系FXをかけたりすればイケメンアップビートシンセの完成だ!

No Routineで用いたアップビートシンセはこういう感じになりました!

うおおぉぉおぉぉおぉおぉぉぉおぉぉおぉおおぉおぉぉぉぉ!!!!

ざっと説明してきましたが、こんな感じでアップビートの音色は作れます!

エンベロープを駆使して、フィルターなども活用するとまた面白い音色が作れたりします。考え方を変えて、もっと柔らかめの音を鳴らしてハイハット強めでアタック感を補う、という方法なども考えられます。

ただ、アップビートシンセは、ユーロのスタイルによっては入れない方が良いケースもあったりします(ギターをフューチャーしたスタイルや、音色が多すぎてごちゃごちゃしてしまう場合とか)

また、鳴らす音もRoot音抜きの2和音にして干渉を抑えたり、和音に限らずサンプリング音を鳴らしたりとか、ベースと同じ単音をなぞったり(近年のDave Rodgers先生のサウンドはこのタイプ)実はオルガンを鳴らしていたり(SEB VOL.151のCARRY ON CARRY ON / NUAGEや、SEB VOL.147のNEVER LET ME DOWN / MERI等)、様々な工夫ができる箇所でもあります。

次回もユーロビートを構成する上で必須と思われる要素について解説して行きたいと思います!



押忍ッッッッッッッッ!!!!!

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